親指を動かしたときに手首の親指側に痛みがある場合は、ドケルバン病の疑う必要があります。
ドケルバン病は腱鞘炎の一種で、親指の使いすぎによって起こりやすいと言われています。近年では、スマホの普及によりこの病気が注目されつつあります。スマホは親指だけで操作し、長時間利用している方は要注意です。
痛みが現れても、そのままにしておくのは日常生活に支障をきたす場合も出てきます。早めの受診を心がけましょう。
ドケルバン病になりやすい人
出産前後や更年期の女性、糖尿病患者、指や手首を酷使しがちな人になりやすいと言われています。
更年期の女性の場合、指や手首をそれほど使わなくても、痛みが感じることがあるようです。詳しい原因はまだ解明されていないようですが、女性のホルモンバランスの乱れが原因でむくみが多くなるからと想定されています。
ドケルバン病の疑いのある人口割合
とある研究レポートによると、人口の2%近くが腱鞘炎を患っていると言われています。日本の人口で考えると、約240万人が腱鞘炎を患っていることになります。このうちドケルバン病の患者はある程度いるとも思われます。よって、多くの人になりやすい病気の1つと考えられるでしょう。
ドケルバン病のメカニズム
簡単に言うと、手首にある腱と腱鞘がこすれることで起こる炎症です。
手首の親指側にはひも状の腱が2本あります。また、手首にはこの2本の腱を包む形でトンネル状の腱鞘もあります。
親指や手首を繰り返し使うことで、腱と腱鞘がこすれてしまい、炎症が起きてしまいます。一般的に言う腱鞘炎と同じメカニズムではありますが、手首の親指側で起きる炎症をドケルバン病といいます。
ドケルバン病の治療は何科?
整形外科で診てもらうと良いと思います。
最初は軽い痛みですが、そのままにしておくと痛みはどんどん強くなる特徴があります。痛みが強くなり、親指が動かすのが難しいレベルになると日常生活は困難になるでしょう。整形外科での適切な治療が必要となるため、早めの受診がおすすめです。
治療の基本は薬物療法
薬物療法により、炎症や痛みを抑えることが主な治療法となっています。
軽度の場合 | 湿布薬・塗り薬 |
重度の場合 | ステロイド注射 |
軽度の場合では、炎症を抑える湿布薬や塗り薬となります。また、重度となるケースでは、腱鞘内にステロイド薬を注射することで痛みを抑えることになります。
場合によっては、腱鞘を切開する手術を行います。所要時間は30分以内で、術後の手首の動作に支障が出るものではありません。
ドケルバン病を防ぐために
ドケルバン病を防ぐには、日常生活の改善がすべてになります。
なるべく多く手先を動かさないようにすることや手を動かさざる負えない場合も途中で休憩を入れるなど、日ごろから意識した生活をしていくことが大切です。