親が認知症のため、親のキャッシュカードを親の代わりに利用するというケースもあると思います。合法的に日常利用するには、「家族信託」や「任意後見」などの契約が必要となりますが、何も結ばないまま利用しているほうが実態でしょう。
この場合、何らかの罪に問われてしまうのでしょうか。
窃盗罪や横領罪の可能性も…
家族信託や任意後見の手続きがないため、家族とはいえ他人の財産を勝手に使用してしまっていると判断されてもおかしくありません。このケースで該当する罪は、刑法の窃盗罪や横領罪になります。
親族相盗例が適用される
親族相盗例は、刑法上の規定の一つ。親族間で発生した一部の犯罪行為について、その刑罰を免除するというもの。ただし、相手が控訴する意思がある場合は、罪に問われることもあります。
結論
家族間のことなので罪には問われにくいが、窃盗罪や横領罪に該当する可能性があるため、家族信託など必要な手続きをしておいたほうが良い。また、一番の問題は罪に問われるか否かより、遺産分割協定で相続人同士で揉める原因になることもあります。
家族の代わりにお金を使うことはできる限り避けること。そして、やむを得ずお金を使うときは、いつどこでいくらお金をおろしたか、何に使ったかを記録しておくとあとあと役に立つかもしれません。