近年では、日本人の死生観に変化が出てきているといいます。主に亡くなる方は病院が多いものですが、この割合は年々減少傾向です。
主な要因として考えられるのは、病院での長期療養が難しくなっていることが挙げられます。介護施設が増えており、看取りが増えてきていること。いまどきでは、自宅で最期を迎えたいというニーズに増えてきていることも考えられます。
このような観点から、終末期医療(ターミナルケア)について詳しく知っておくのは大切なことです。家族の最期となる終末期医療や看取りについてしっかり話し合っておき、落ち着いて対処できることが理想でしょう。
自宅での看取りに向けた準備
要介護認定を受ける
65歳以上の場合(60~64歳は特定疾病の場合)で療養場所を自宅に移す場合は、介護保険サービスを利用するために要介護認定を受けることが第一歩になります。
認定を受けるには、ケアマネージャーにお願いすることが一般的です。ケアマネージャーを探すには、地域包括支援センターに尋ねるといいでしょう。地域包括支援センターはどの地域にも存在しているものです。役所に尋ねたり、ネットで確認することですぐに見つけることができます。
ケアマネジャーと連携する
ケアマネージャーは、言わば介護のプロです。在宅介護の知識が豊富なだけではなく、介護計画(ケアプラン)まで立ててくれるため、しっかりしたケアを実現するためには絶対に必要な存在です。終末期医療においても強力なサポーターとなってくれるのは間違えありません。
特に終末期医療となると、医療面でのネットワークも重要となります。そのためにもケアマネジャーとしっかりと連携しておくことが大切です。
訪問看護を利用する
自宅では、介護だけではなく医療も大切になります。そこで利用をしたいのは「訪問看護」です。医師の指示に基づく医療処置、緩和処置など、介護職員では行えない医療的ケアを行ってくれます。
経験豊富な医療職は、看取りへのアドバイスと死後の処置に対応してくれることもあります。積極的に連携しておいて損はありません。
本人に意思を確認する
家族同士で終末期医療のあり方に意見が分かれるものです。一番大事なのは、本人の意思だということを忘れてはいけません。後悔が残らないよう、対応していきたいものです。
まとめ
後悔が残らないように最期のときをどう迎えるか、しっかり組み立てることが大切です。そのために必要なことは以下のことが考えられます。
- 本人の意思を尊重する
- ケアマネージャーとしっかり連携する
- 訪問介護の利用にあたり、要介護認定を受ける(必要に応じて訪問看護も)
- 在宅のかかりつけ医もいればさらに安心