厚生労働省が2018年7月に発表した「簡易生命表(2017年)」によると、日本人の平均寿命は男性81.1歳、女性87.3歳となっています。毎年のように最高記録を更新しています。
日本は世界から見て長寿国でもありますが、この数字を見て低いと思った人は多いのではないでしょうか?
実際には、もっと長生きしている人が多いと思います。この数字を見て、ライフプランを設計するのはやや浅はかになるかもしれません。
ある推定によると
実際にはこの統計よりも長生きする人が多いという推定もあります。
現代では、男性の2人に1人は90歳以上まで生きると言われ、女性は2人に1人は100歳まで生きると言われているのです。
なぜこんなにも平均寿命よりも長く生きる人が多いのでしょうか。それは平均寿命の計算方法を知れば、わかることがあります。
そもそも平均寿命って?
よく間違えられるのですが、平均寿命とは亡くなった人の年齢を算出して統計データにしたものではないのです。
つまり、今回の厚労省が発表した統計データは、2017年に生まれた子どもが何歳まで生きられるかを算出したものなのです。
単純にいま生きている人に充てられる数字ではないものであることを覚えておきましょう。あくまでも参考程度に押さえておくことが良いでしょう。
人生100年時代
巷では「人生90年時代」や「人生100年時代」と言われており、よく耳にすることが多いでしょう。平均寿命と比べれば、ややオーバーな数字でもありますが、先述の推定によれば確かな数字でもあるのです。
では、なぜ平均寿命と実際の寿命と大きく乖離してしまうのか。
それは、平均寿命ばかりがメディアに取り上げられ、寿命中位数という指標があまり取り上げられないことにあるかもしれません。
最新の寿命中位数では、男性84.1歳、女性90.0歳となっています。共に平均寿命よりも高い数値になっていることがわかると思います。
寿命中位数 | 平均寿命 | その差 | |
男性 | 84.08歳 | 81.09歳 | 2.99歳 |
女性 | 90.03歳 | 87.26歳 | 2.77歳 |
出典:平成29年簡易生命表の概況(厚生労働省)
こちらの指標の方が実際の寿命に近い数値になり得ます。先述の推定や人生〇〇年時代と言われる根拠に近づいているとも言えるでしょう。
これもあくまでも中央値な訳で、この数値よりも長く生きる人も多いのです。だからこそ、人生100年時代と考え、100歳まで生きることを前提としたライフプランづくりが必要になってきます。