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70歳まで働く? 「70歳継続雇用」のメリット・デメリット

その他

政府が「70歳継続雇用」を打ち出しました。定年を70歳とすることを基本とする、70歳までの就業の機会を設ける政策です。超高齢化社会を迎え、企業の人材不足が深刻化する中、やむを得ず打ち出した政策にも見えます。

この方針を表明してからは、40代以降では歓迎ムードになっており、60歳以降の現役の世代でも、70歳まで働くことに意気込んでいる人の割合は高いといいます。まだまだ現役、動ける限り働くという意欲的なミドル・シニア層には驚くばかりです。

個人的には、70歳まで働けるという選択肢が増えることは良いことにも感じますが、人生100年時代といえどもあまりにも働く期間が長いような気がします。先進国では、このような制度を設けるのは日本だけです。

はたして、70歳まで働ける環境づくりにメリットやデメリットがないのでしょうか?

70歳継続雇用の考えられるメリット

人手不足の解消

これはこの制度の最大の目的です。人手不足は深刻化しており、毎月のように人手不足による倒産が後を絶ちません。むしろ、倒産件数は増加傾向で歯止めをかけたいという思いが見えます。

東京商工リサーチよると、今年1月から9月までに人手不足で倒産した企業は299件となっており、昨年と比べて増加傾向にあるとのこと。

一方、60代は就業に意欲的な人が多いため、人手不足解消に向け白羽の矢が立ったわけです。50代・60代においては再就職が難しい世代でもあるので、高年齢者の雇用促進につながることに期待されます。

年金制度の改革

少子高齢化により、超高齢化社会となった日本の年金制度は大きな歪みが生じています。

近い将来、年金受給者を支えることは難しいことが叫ばれています。年金受給への不安は全世代で起きており、年金保険料の納付率の低下や年金受給額の切り下げ不安など、年金に関するニュースはネガティブな傾向が続いている現状です。

70歳継続雇用が実現すると…

年金制度の安定につながることが期待されているでしょう。

単純に考えて、働く人が増えるということは年金を収める人も増えるという見方ができます。また、年金は働けなくなったときの生活を支えるものであり、働ける人には減額や支給停止されるものです。

つまり、年金納付額は増え、年金給付額は減ることを意味します。年金制度のバランスを正常化するということに通じます。

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70歳継続雇用の考えられるデメリット

新卒採用が減る

20代などの若年者層の声は反対の意見が多いです。それは、定年退職者が減ることによって、その分の新卒採用が比例して減ると考えているからです。

なかなか鋭いですが、おそらく一時的に新卒採用は減る傾向にありそうです。定年退職者の低下、AIやフィンテックなどの導入、賃金の上昇などの理由により、新卒採用にとっては追い風とは言えないです。

これからの日本を担う若年層が企業に入れないことは、日本にとってはマイナスとも考えられます。

賃金のダウン

日本は年功序列で年齢とともに賃金が上がる傾向は今でも根強いものですが、70歳まで上がり続けることはとても考えられません。

賃金の上昇幅は縮小される傾向や継続雇用される場合の賃金は大きく下がることが見込まれます。

さいごに

メリット・デメリットをいくつか考えられる範囲で出してみました。

70歳継続雇用はやはり高年齢者には有利な内容に思えます。逆に若年者には苦しい内容でしょう。いまや、人材不足や年金制度のバランスなど大きな課題に直面している日本としてはやむを得ない選択なのかもしれません。

仮に70歳継続雇用が実現しても、再雇用時の契約内容はそれぞれの企業に委ねられます。冷遇も考えられます。良い制度にしていくためにも、しっかりとした骨格づくりをしてもらいたいものです。

全世代が希望を持てる日本になってくれることを願うばかりです。