掲載記事数: 263【10/24現在】

60歳から65歳の5年間の収入をどうするかは大きなポイント

お金(生活)

老齢厚生年金の一部に、60歳から支給される「特別支給の老齢厚生年金」がありますが、基本的には年金給付は65歳からとなっています。しかし、日本では依然として60歳で現役を引退するケースが多く、この60歳から65歳の5年間の収入をどうするかは悩む点でしょう。

通常で考えられる方法は2つあります。それは、年金を早めて受給するか(繰り上げ受給)、年金受給まで働くかです。気になるのはそれぞれのメリットとデメリットです。どのようなものがあるのでしょうか。

年金の繰り上げ受給と繰り下げ受給について

年金の給付時期は65歳の前5年間と後5年間(60~70歳の間)に移動させることが可能です。これは「繰り上げ受給」もしくは「繰り下げ受給」と呼ばれる制度です。これらを選択すると、受け取る年金額が減額もしくは増額となります。

具体的には、1カ月繰り上げるごとに0.5%減額、逆に1カ月繰り下げれば0.7%ずつ増額です。一度、繰り上げたり、繰り下げたりするとその際の年金額に固定されて、元に戻すことはできませんのでご注意ください。年金の受給開始をいつにするかは、生活スタイルとの収支のバランスを考える必要があります。

繰り上げ受給(年金を早めてもらう)の場合

繰り上げる場合は、1カ月繰り上げるごとに0.5%減額されます。最大の5年間(60カ月)早めて60歳から年金を受け取ると、通常の年金額から30%も減額されます。

生活が厳しいという方は選択する余地がありますが、いくつかのデメリットがあるのでご説明しておきます。

繰り上げのデメリットとして、65歳より前に障害を負った場合には障害年金が受けることができません。また、死亡した際に配偶者の寡婦年金の権利がなくなってしまいます。慎重に検討すべきものといえるでしょう。

繰り下げ受給(年金を遅めてもらう)の場合

繰り下げる場合は、1カ月繰り下げれば0.7%ずつ増額されます。最大の5年間(60カ月)遅めて70歳から年金を受け取ると、通常の年金額から42%も増額されます。

一生涯続くことから、長生きすればするほどお得になります。また、繰り下げを選択し、年金受給までに死亡してしまった場合は、65歳から本来受け取る予定だった年金額(65歳から死亡するまでの期間)を相続することができます。

繰り上げと繰り下げの損得勘定

以上のことから、繰り上げと繰り下げでは最大72%の差がつきます。給付される金額において、それぞれの損得はどのようになるのか気になる人もいると思います。

65歳からの年金生活と比べて実際計算してみると、繰り上げでは16年8カ月、繰り下げなら11年11カ月が分岐点となることがわかりました。つまり、60歳から受給する繰り上げにおいては76歳8カ月より長生きすると繰り下げた場合は損をしてしまいます。そして、繰り上げた場合は81歳11カ月より長生きすると、総年金額が多くなり得することになります。

いつ年金を受け取りたいかだけでなく、自分自身の健康や経済状況を十分考えた上で決めることがとても重要になるでしょう。

年金受給まで働くことのメリット

いまは働き方改革により、65歳まで働くことが比較的容易になってきています。働けるうちに働いておき、貯蓄を増やすチャンスでもあります。70歳までは厚生年金に加入できるという点でも、将来の厚生年金額の上乗せにもつながります

いまは働くシニア層が多くいることからも、年金受給まで働くことを選択している人が多いと思われます。また、働くということのデメリットとしては、収入により老齢基礎年金が一部カットされることくらいです。

働けるうちは、できる限り年金を受給せずに将来のために働いておくということがベストかもしれませんね。