「墓じまい」をする人が多いようです。その理由として、やはりライフスタイルの変化してきていることが挙げられます。
ライフスタイルの変化でお墓参りして、そのお墓を守るということが難しくなってきているのです。
今回は気になる、「墓じまい」の増加とお墓に変わる「手元供養」について考えていきます。
なぜ「墓じまい」が増えている?
少子化や高齢化、核家族世帯が多いなど、お墓を維持していくことが難しくなっていることが理由に挙げられます。
特に核家族世帯は都市部に集中することが増えていることから、遠く離れた田舎にお墓参りに行くことは、交通費やホテルの滞在費など費用も毎年かかります。その他にも高齢化のため、体力の問題もあります。
このような事情は増えていることから、「墓じまい」を選ぶ人が増えてきているのです。
「墓じまい」をしないと「無縁墓」になってしまうことになる場合も
今現在お墓参りに行ける体力があっても将来を考えた結果、誰もお墓参りに行く方が居なくなり「無縁墓」と判断される事があります。
これまでお墓を管理していた方の高齢化と少子化の問題からお墓を管理できなくなるケースが増えています。
無縁墓の基準
無縁墓となり得るお墓に対し、故人と縁があり、お墓のお世話をする権利がある方に対して1年以内に申し出てほしいことを伝え、1年以上申し出が無かった場合、無縁墓と認められます。
「墓じまい」をするにあたっての手続き
① 親族に相談する
直接家族だけのお墓なら問題はおきませんが、先祖代々続いているお墓には沢山の遺骨が眠っています。トラブルにならないように親族で相談しておきましょう。
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② 寺院に相談する
長年お世話になっている寺院の方には「墓じまい」をする事情を話しておきましょう。
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③ 移転先の決定と「受け入れ決定書」の入手
「墓じまい」をするにあたって、遺骨の移転先を決めて、新しい墓地に移す場合は「受入証明書」を発行してもらいます。
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④ 現在の管理者に報告と「改葬許可書申告」をする
墓地のある市町村で「改葬許可書申告書」をもらいます。この書類は、遺骨1体につき1枚必要です。この「改葬許可書申告書」に現在墓地を管理者から印をもらいます。「受け入れ許可書」とともに役所に提出して「改葬許可書」を受け取ります。
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⑤ 「閉眼法要」を行う
手続きが終わりましたら、お墓から遺骨を取りだす「閉眼法要」を行います。僧侶に魂を抜いてもらう儀式です。墓石を動かすことが出来ない場合は石材店に依頼しましょう。
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⑥ 移転先に遺骨を納める
移転先の墓地管理者に「改葬許可書」を提示して遺骨を納めてもらいましょう。元のお墓は墓石を解体して更地にして返還します。
★ 気になる費用
おおよそ10万円~30万円くらいが相場です。
手元供養について
近年家庭の事情から「手元供養」も増える傾向にあります。毎年遠くまでお墓参りに行くことが出来なくなることから、お骨を粉骨にしてスプーン一杯の粉骨をお洒落なミニ骨壷に入れて「手元供養」とすることが増えています。
お骨を粉骨にすることで法的トラブルの99%問題を回避できます。日本の法律では遺骨をそのまま捨てると違法ですが、正式に火葬された遺骨を粉骨にして撒く分には違法ではなくなります。モラルの範囲内となっています。
「粉骨」の費用
約9,000円~20,000円程度ですが、地域差がありますので調べてみると良いです。費用を抑えたい方は遺骨を袋に入れてハンマーで2ミリ以下に砕いても大丈夫とのことです。
スプーン一杯の「手元供養」と残りの粉骨は何処に?
粉骨することで、お骨は4分の1になりますが残ったお骨はどうしたらいいでしょうか?
法的には粉骨にすることで、どこに散骨しても罰せられることはありませんが、山奥の樹木でも管理、運営されている方に、相談して確認する必要があります。
ちなみに、粉骨は湿気に弱いので注意しましよう。カビがはえますので真空保存をおすすめします。
他にもあるお墓のかたち
「合祀型(ごうしがた)」
他の方々と一緒に埋葬する方法です。エリアが広く他の方と遺骨が混ざることもあります。
「集合型」
大きな樹木の近くのエリアを区画されているタイプです。「個別型」一人ひとり、ご夫婦や、ご家族と一緒に利用できるタイプです。
業者さんに依頼するのが一般的です。散骨専門業者にサポートいてもらい散骨可能な海岸に業者さんの案内してもらい、ご遺族で散骨を行います。
納骨堂はお骨を預けて保管してもらう施設です。お墓として英代納骨する事を当たり前となっています。「手元供養」をする方にはおすすめします。
最後に思うこと
色んな埋葬や散骨について考えてみましたが、お墓を守っていく事は未来的には大変な事ですね。そんなことから「手元供養」がより身近で安心な形なのかもしれません。最終的には人は土に戻って行くのが理想だと思います。